ドラマ『深夜食堂』にはまる
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テレビドラマはほとんど観ないのだが、唯一『深夜食堂』という夜中にやっている30分ほどのドラマにはまっている。
原作は安倍夜郎という人の漫画である。
東京より大分遅れての放送らしいが、自分が住む山形では火曜日の24時20分からTBS系のローカル局で第二部を放送している。

オープニングのタイトルバックにはJRのガード下から新宿区役所方面に向かう靖国通りの夜の街並みが映し出される。
赤や青に輝くネオンや看板、煌々と歩道を照らす街灯、大通りを流す沢山のタクシーやクルマのテールランプ、イッパイやって家路へ向かう大勢のサラリーマンやOL、そして紺青の夜空に浮いた三日月。
こうした猥雑な風景のバックに流れる挿入歌は鈴木常吉が唄う「思ひで」。
彼の歌う郷愁を帯びた寂しくてやさしいて歌声が、新宿の風景に妙にはまっている。
物語の舞台は新宿のゴールデン街あたり、花園神社近くで深夜零時から朝7時頃までが営業時間という場末の「めしや」だ。
常連の客たちは「深夜食堂」といっている。

7、8人も座れば満席になるカウンターしかない店を一人で切り盛りするマスターを演じるのは小林薫。
訪れる客たちも新宿らしく普通のOLやサラリーマン、地元の常連さんに混ざってヤクザやストリッパー、ニューハーフの人たちなどもやってくる。
メニューは豚汁定食とビールなどの飲み物だけ、あとはマスターに食べたいものをリクエストすれば、できるものなら何でもつくってくれる。
出される料理はポテトサラダや鳥の唐揚げ、カツ丼、卵焼き…。
まぁ、B級だ。
中には、猫まんまや熱々のご飯にバターのかけらを落とし醤油をちょろっと垂らしたバターライスなんていうのもある。

毎回、店を訪れた客が主人公となり、注文するメニューや店で出される一品の料理を軸に物語が紡がれていく。
東京、とりわけ新宿という一癖も二癖もある場所に生きる、いろんな人の営みを垣間見ることができる。
マスターのつくる料理はオシャレだったり、凝ったものだったりするわけではないが、どこか懐かしくて美味しそうだ。
観終わった後に、こころなしか幸せな気分になれるのは人の温かさや情けに少しだけ触れたような気になるからだろうか?
二十数年前、東京に住んでいた頃を思い出す。
当時、お酒を飲む場所は、いつも新宿だった。

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