山形美術館で「鬼海弘雄写真展 PERSONA」を観る
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寒河江市出身の鬼海弘雄

雪の山形美術館:山形美術館で「鬼海弘雄写真展 PERSONA」を観る

雪の山形美術館

山形美術館で開催されている「鬼海弘雄写真展 PERSONA」を観ました。
プロフィールを拝見すると寒河江市醍醐というチェリーランドという道の駅から少しばかりに西に行ったところの出身だったことにビックリ。
「そういえば、お客様の従業員の方で鬼海さんという、変わった苗字の美人がいたなぁ」なんてことが頭をよぎる。

インドの熊使いに驚く

展示は三つに構成されていて会場の1階はインドとトルコのアナトリア地方で撮った人物や風景が中心の「インド」、「アナトリア」、2階が人物のポートレイトと東京の猥雑な景色を切り取ったような作品が展示された「東京ポートレイト」。
すべてモノクロームの作品です。
「インド」では『シャンタラム』というインドのムンバイを舞台にした熊使いの登場する小説を最近、読んだせいか「公園の熊使い」という熊と熊使いの周りを群集が取り囲んでいる写真を観て「本当に公園に熊使いが、いたりするんだ」と感心する。
中年から老年にかけたサリーをまとった巡礼の女性たちが四、五人で海を見ている後姿のシルエットが強調された作品があり、これが印象に残った。
「インド」、「アナトリア」での風景の中に人物を撮った作品を観ると写真の構図の上手さに感心する。
数点の作品は写真の片隅に犬や猫、遠景の建物などの印象的な被写体がチラリとフレームの中に入っていて、これが中心となるモチーフとは違うアクセントとなってスパイスのように効いている。
つい写真の隅々まで観とれてしまう。

ペルソナ

2階の展示は東京の浅草で撮影された人物のポートレイトと東京のいびつな風景を切り取った作品。
ペルソナというのは仮面という意味だが、ポートレイトのモデルはみな、ヒトクセありそうな個性的な顔つきや身なりをしている。
これらの作品はタイトルがとても効いていて、タイトルがないと写真が作品として完成しないほどの力を持っている。
「小金を貸してくれという女」とか「自由業という男」とか「遠くから歩いてきたという青年」とか、直球勝負といった風なタイトルだが、タイトルを読み写真に切り取られたモデルの風貌を観ていると被写体となった人物の生活や背景といった彼らの物語に対する想像力が、いやでもかきたてられる。
そうした濃密な作品群のなかに点在するのは、東京の下町や池袋などで撮られた風景写真。
決してキレイな風景ではない。
下町などではよく見かける普通の猥雑なたたずまいだが、写真のフレームに切り取られると、その景色のいびつさが浮かび上がってくる。

鬼海弘雄氏と大原螢氏による対談

鬼海弘雄氏と大原螢氏の記念対談:山形美術館で「鬼海弘雄写真展 PERSONA」を観る

鬼海弘雄氏と大原螢氏の記念対談

一通り、見学が終わったところで「これから、3階の会場で鬼海弘雄氏と劇作家で山形大学大学院准教授の大原螢氏による記念対談があります」とのアナウンス。
「あまり、時間もないけどちょっとだけ覗いてみようか」と3階の会場へ。
対談は、少々、高尚な趣。
遠目でしか、鬼海弘雄氏の風貌は拝見できなかったが、わりと普通のオジサンという印象。
用事もあったので1時間ほどで切りあげ、美術館を後にする。

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