天童市美術館で開催している『赤塚不二夫展』を観てきました。
赤塚不二夫といえば『天才バカボン』や『おそまつ君』あたりが代表作でしょうか?
女の子向けには『秘密のアッコちゃん』とかがありますね。
個人的にはそれほど、思い入れはありませんでしたが、近所でこうしたメジャーな漫画家の展示会を見る機会もなかなかないだろうと思い自転車に乗って出かけました。
美術館に着いたのは昼過ぎぐらい。
いつもはひっそりとしている天童市美術館ですが、玄関へ向かうと思いのほか人の出入りがあります。
中に入っても五十代を超えたご夫婦や若い人たちの姿が結構目立ちます。
何度かここの美術館は訪れたことがありますが、こんなに人がいるのは初めてです。
とはいっても、決してたくさんのとはいえませんが…。
展示は代表作ごとにコーナーが分けられ漫画本やその原稿などがありましたが、展示している作品の中には少々、過激な毒のある作品やエロいものも見受けられました。
他にも初期の稀覯本、作家自身にまつわるもの(紫綬褒章なんかももらってるんですね)が展示され作者のユニークな人となりがわかるような展示になっています。
展示の最後におそまつ君に登場するイヤミのシェーのポーズをした、いろんな有名人の写真や漫画のキャラクターのパネルが展示してあったの印象的です。
また、展示を見て思ったのは白紙のコマ割りを続けるなど、漫画の中で現代美術のアプローチのようなこともやってるんですね。
以前、マルセル・デュシャンという現代美術の創始者とも言うべき人の展覧会を観たときの解説に「デュシャン以降、美術家が造形的手法ではなく思考操作によって作品を成立させていくものが登場するようになった」とありましたが、赤塚不二夫にもこうした実験的なことをやってるんですねぇ。
ちなみに秋山治もこち亀でこうしたことをやってますけど……。
こういう、特に赤塚不二夫のようなラジカルな漫画家の展覧会を企画するとは公立の美術館にしては随分と、くだけた感じで、ここの美術館としての可能性を感じますね。