寒河江市の白岩にある葉山市民荘の登山口から葉山に登ってきた(畑コースというらしい)。
うちの近所から見ると北西にそびえる月山の右側にきれいに並んで見える山が葉山だ。
標高は1,462メートル。
月山(標高1,984m)よりかなり低い山だが、この辺りからだと月山より距離がちかいせいで月山と同じぐらいの高さに見える。
山形市内に住む人の中には、その堂々とした姿から葉山を月山と勘違いする人もいたりする。
そんな身近な山と言うこともあり、一度は登ってみたいとずっと思っていた。
自分では秋ぐらいになったら登ろうかなと漠然と思っていたが、たまたま4、5日前に登山を趣味にしている近所のIさんから、今度の日曜日、葉山に登りませんかと電話をいただいたのを幸いに今日の山登りとなった。
Iさんは長年、登山を趣味としている人で、一緒にお酒を飲んだり旅行に行ったりと日頃、お世話になっている先輩で気心が知れていることもあり、自分のようなシロウトには心強い。
当日は朝の5時半から、町内会で近所の河川掃除。
Iさんとはここでも一緒になる。
河川掃除終了後、待ち合わせ時間を決めて自宅に戻る。
30分ほどで急いでシャワーを浴び、支度を整える。
7時15分にIさんがクルマで迎えに来る。
途中のコンビニで朝食と昼食を調達。
車中で簡単な朝食を食べながら、向かう登山口は寒河江市白岩にある葉山市民荘。
1時間弱で葉山市民荘の駐車場に到着し8時半ごろには出発。
出発前に余ったトレッキングポールを一本お借りする。
先週、瀧山に行ったせいもあるためか体は軽い。
世間話などしながら、ずんずん登る。
途中、結構な坂を走って下る人とすれ違う。
昨今、流行りのトレイルランの人のようだ。
山に行くと、こういう走っている人を一人は見かける。
しばらく行くと、七十歳を越えたようなおばあちゃんが一人で休憩しているところを追い越す。
「どこまでですか」と尋ねると「お花畑まで…。山登りが好きでよう」というこたえ。
こちらは、2.5リットルの水を背負い、登山靴にゲイターと言うそれなりの装備なのに、おばあちゃんは野良仕事をするような服装に長靴。
水すらそんなに持っている様子がない。
「たいしたものですねぇ」と二人で感心する。
途中のお花畑と言われる木道の整備された場所で休憩していると、さきほどのおばあちゃんに追い越される。
まったく、たいしたものだ。
追い越された後、すぐに我々も出発。
おばあちゃんはお花畑の奥の方に広がる笹藪に入っていった様子。
どうやら、笹竹を取りに来たらしい。
他にもカッパを着込み笹藪に突入していく若者も見かけた。
登って下って二つ目の峰が頂上。
途中、5メートル弱ほどのトラロープの設置してある箇所が二箇所。
この付近は、爆裂火口といわれる太古の昔に直径3~4キロほどの山体が吹き飛んだカルデラの尾根にあたるため、同じぐらいの高さの峰が三つ、四つ続いている。
そうした地形のため、火口側に当たる東の斜面はかなり急でトラバースする道は少々注意が必要。
なんでも、山体が吹き飛ぶ前は月山より標高が高かったらしい。
登山道には葉山山岳マラソンという案内板が掛けてあったが、こんなところを走って滑落したら大変だろうなと思う。(どうやら、ちょうど1週間前に行われたらしい)
峰を一つ越えて登山道を北側にそれると、すぐに頂上の広場がある。
10帖ほどの頂上には三角点と葉山頂上という柱が立っているが、いたって地味なものである。
柱には「山頂 一四六一・七m」とある。
頂上を下り、また峰を上ると我々の目指す葉山神社の奥の院がある。
木造の小さな社殿は、最近、建て替えたれたのだろうか、妙に真新しい。
休憩するとコバエのような小さな虫(メマトイという虫か?)が大量に集まってきて煩わしい。
これにはイライラするし、難渋させられた。
神社の社殿の裏には先客の青年が一人で昼食中。
Iさんが持参したストーブで湯を沸かしている間に、青年は葉山の頂上目指して出立。
その間、もう一人の青年がやってきて、頂上はどちらですかと訪ねられる。
昼食を摂っていた青年が葉山の頂上目指して立った後、我々も神社の裏に移動して昼食。
カップラーメンにお湯をいれ、3分待っているときにハプニングが発生。
Iさんが動いたときに荷物が当たり、岩の上に置いたカップラーメンが下の藪の中に滑落。
ストーブを持参し湯を沸かしてもらった本人が食べられないのでは、あまりに申し訳ないので自分のカップヌードルを分け合ってたべることに。
他にも食料は十分だったので特に影響もなく、オニギリとカップヌードルの食事の後は、湯を沸かしてもらい暖かいコーヒーをいただく。
途中、雨がぱらつきだしたがすぐに止み、ちょっと安心
山頂付近で3人のオジサングループと単独行のおじいさんとすれ違う。
3時過ぎには下山。
葉山市民荘の前に長命水という水場があるが、この水が軟らかい雑味のない水で本当に美味しい。
多くの人がわざわざこの水を汲みに来るらしい。
ゴクゴク飲むと、本当に生き返る。
自宅に戻り、風呂に入り、後はぐったりとして過ごす。
こういう、汗をかいて風呂に入って、音楽を聴きながらビールを飲んでみたいな時間はささやかな幸せの時間だ。