床屋さんでチケットを頂戴する。
15時過ぎに山形美術館へ行き『珠玉の日本近代絵画展-ウッドワン美術館所蔵名品選-』を観る。
2週間ほど前に行きつけの床屋さんで招待券をもらったので、しっかりと使わせていただく。
お客さんもそこそこの入りで、さほどの混雑もなく、わりとゆったりと作品を観ることができた。
ゴッホの『農婦』という油彩以外は日本の近代作家だけの展示で日本画も油彩も、おもいのほか名品が多くてちょっとビックリ。
1階の展示室は日本画、2階は洋画が展示してある。
岸田劉生の麗子
今回の目玉とされているのは岸田劉生の『毛糸肩掛せる麗子肖像』。
あのおかっぱ頭で有名な麗子である。
見た感じは国立博物館に収蔵されている重要文化財の『麗子微笑』とポーズも毛糸の肩掛けも同じに見えるが、こちらのほうが色彩が明るい。
丹念に描かれた毛糸の肩掛けの質感がすごい。
麗子像はいろんな作品があって、もっと写実的に描かれたものもあるが、やはり、こういう感じのほうが印象に残る。
藤田嗣治の壁画
もう一つの目玉が、藤田嗣治の幅10メートル近い大作の『大地』。
この作品は昭和9年に駐日ブラジル大使館とブラジルコーヒー局の企画として銀座に開設された 「ブラジルコーヒー陳列所(CAFÉ DO BRASIL)」にあるメインルームの壁画として描かれた。
主なモチーフは南米の農夫となっているが、右端の地球に押しつぶされているのは誰をモチーフにしたものだろうか?
見た印象では藤田独特の乳白色の厚塗りの感じはあまりない。
日本の作家の作品なかに唯一、ゴッホの『農婦』という作品が展示され、修復時にかなり手を加えられているというようなことを、多くのスペースをつかって検証結果をインフォメーションしていたが、これほど詳しく案内しなくてもよかったかなと思う。
招待券でお金を使わずに入場できたこともあり、珍しく目録を購入。
ウッドワン美術館は、広島の建材メーカーである株式会社ウッドワンが平成8年に広島県廿日市に開設した施設だが、山形美術館と関係の深い吉野石膏もそうだが「建材メーカーというのはお金があるんだなぁ…」と、妙に感心する。