真下慶治記念美術館へ行く - 2011年秋
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真下慶治記念美術館で行われている企画展「佐藤三郎(本間美術館元館長)コレクション展」に伴って行われた講演とピアノコンサートに行ってきました。

佐藤三郎(本間美術館元館長)コレクション展は数は多くありませんが主に小野幸吉と三郎自身が描いた絵を中心に竹久夢二や小松均など印象的な絵が展示してあります。
小野幸吉は酒田のゴッホといわれた洋画家で明治42年に生まれ、二十歳という若さで亡くなりました。
展示してある数点の小野幸吉の作品はほとんどが小品ですが、当時、起こった野獣派と言われるフォービズムに影響をうけた原色を重ねた力強いタッチの絵は小品でも十分、オーラを放っています。
若くして夭折したアーティストは自分の生を削って作品を残したとよく言われますが、そんなことを体現するような絵だと思います。

講演は三郎の長男の佐藤篁太郎氏が「小野幸吉と佐藤三郎」という演題で幸吉と三郎の中学時代や幸吉が亡くなってから三郎が幸吉の作品集を発刊するため東奔西走した苦労など、身近にいた人だけが知るような話を伺い、三郎の幸吉に対する友情や幸吉が絵に注いだ情熱というものを少しだけ判ったような気がします。

ピアノコンサートは三郎の孫にあたる佐藤美喜氏の演奏によるものです。
シューマンやスクリャービン、ショパンなどの小品が中心のプログラムで、丁寧でとても品を感じさせる演奏だったと思います。
目の前で聴くクラシックのピアノは、たまに聴くと「やっぱり、いいなぁ」と思わせてくれます。
美術館のテラスから薄曇の田園風景にたゆたう最上川の景色を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができました。

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