横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
2階から見たエントランス
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横浜美術館:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
横浜美術館
ヴィム・デルボア「Flatbed Trailer」:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
ヴィム・デルボア「Flatbed Trailer」
ヨコハマトリエンナーレ2014:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
ヨコハマトリエンナーレ2014

せっかく、東京に行くのだからと3年前も観た横浜トリエンナーレにでも行ってみようかと、ホテルは東京と横浜の中間地点の蒲田に取った。
しかし、平日の金曜日に仕事の連絡が来ないわけがなく昼まで仕事し、それからホテルを出る。
東京の天気は暑いぐらい。
半袖のTシャツ姿で、京浜東北線とみなとみらい線を乗り継ぎ横浜美術館に行く。
みなとみらい駅で降りて、外に出ると様相が変っていることにビックリ。
「こんなビルなんてなかったよな」と思いながら「マークイズみなとみらい」の中を通り抜ける。
すると、横浜美術館の庭園の前に展示されている鉄で作られたゴシック様式の大型トレーラーのような巨大なオブジェが目に入る。
ヴィム・デルボアの「Flatbed Trailer」という作品。
運んでくるだけでも、ずいぶん大変だったろうなと思う。
平日のせいか、チケット売り場に混雑はない。
公式ガイドブック付のチケットを2,400円(だったかな?)で購入。

アーティスティック・ディレクターは森村泰昌:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
アーティスティック・ディレクターは森村泰昌
2階から見たエントランス:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
2階から見たエントランス
マイケル・ランディ「アート・ビン」:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
マイケル・ランディ「アート・ビン」

入り口のところには「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」というテーマが掲げられている。
「華氏451度」と言えば、いやでも思い浮かぶのはレイ・ブラッドベリの名作「華氏451度」だ。
このSF小説では本を所有することを禁じられ、本が見つけられると「ファイアマン」と呼ばれる行政機関が出動し、ただちに燃やされ所有者は逮捕されていしまうという社会が描かれている。
人々はテレビやラジオに満足し、思考したり記憶することを忘れ統治者に飼いならされてしまっている。
しかし、「ファイアマン」として働く主人公はそうした社会に疑問を持ってしまう…。
50年ほども前に、フランソワ・トリュフォーによって映画にもなった。
ちなみに華氏451度というのは、摂氏233度で紙が自然発火する温度とされる。
この「華氏451度」がテーマに盛り込まれているのは、そこになにがしかの意図を感じざるを得ない。

入り口を入るとマイケル・ランディのアート・ビンという捨てられた芸術作品の入った巨大なゴミ箱が展示してある。
2階にはフェリックス・ゴンザレス=トレスの「“Untitled”(Blue Mirror)」という四角のデザインの薄い紙が50センチほどの厚さに重なった作品が赤いものと青いものが隣り合って展示されている。
この作品は「一葉ずつ人の手に渡り共有されることで初めて成立する」とあるので、多くの見学者が各々1枚ずつ手にとって丸めて持っていく。
自分も、他の人をまねて赤い奴と青い奴をそれぞれ一枚ずつもらってきた。
「華氏451度」を思わせる本や活字にまつわるアートが展示されてあったり、Temporary Foundationという共同体による《法と星座・Turn Coat / Turn Court》という巨大な赤い法廷や監獄は作品はちょっと面白かった。

法廷のハンマーが鳴り響く:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
法廷のハンマーが鳴り響く
奥では人のオブジェが浮かんでいる:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
奥では人のオブジェが浮かんでいる
肉屋の看板で有名なモチーフ:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
肉屋の看板で有名なモチーフ

展示の多くは現代アートであり、コンセプトアートやインスタレーションと言われるようなものだ。
マルセル・デュシャンが普通の男子用小便器に「泉」というタイトルをつけて発表して以降、アートに思想やコンセプトが持ち込まれるようになったと言われる。
こうした、作品に思想や哲学をが持ち込むようなアートも最近はこなれてきて、やや食傷気味という感じ。
さすがに、ビックリ箱だって、普段から数多く見ていればビックリもしなくなる。
一つひとつを観れば、確かにアイディアも感じるし、なるほどねぇとも思う。
それでも、二十数年前に初めてこうした作品に接した時に感じたような衝撃はさしてない。
現代アートといった作品や作家にとってもブレイクスルーが求められてきている、そんな時代になったのではないだろうか。
あるいは、普通に観て「きれいだな」「美しいな」とか「いいな」と思うようなアートに、王政復古や原点回帰じゃないけど流れていくのかもしれない?
まさにルネサンスですね。
歴史は繰り返すというし…。

インドのサドゥーみたい:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
インドのサドゥーみたい
頭上からオレンジ色の水が噴出:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
頭上からオレンジ色の水が噴出
混雑もなくゆったりと観れた:横浜美術館で『横浜トリエンナーレ2014』を観る
混雑もなくゆったりと観れた

他の会場でも、展示があったが仕事のメールが来ていたので今回は諦める。
4時前にはホテルに戻り仕事。
19時過ぎには川崎に住む友人とホテルの近くの焼き鳥屋で呑む。

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