真下慶治記念美術館で1911年製ベヒシュタインピアノのコンサート
真下慶治記念美術館で1911年製ベヒシュタインピアノによる「ピアノ・フルートコンサート」
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1911年製ベヒシュタイン:真下慶治記念美術館で1911年製ベヒシュタインピアノによる「ピアノ・フルートコンサート」

1911年製ベヒシュタイン

村山市にある真下慶治記念美術館で行われた『~100年の時を越えて~1911年製ベヒシュタインピアノによる「ピアノ・フルートコンサート」 』に行ってきました。
客席は満室。
ここは何度が訪れたことがありますが、こんなに客席を増やした学習室を見るのは初めてです。

本日の主役は1911年にドイツで製造されたベヒシュタインのモデル10というピアノです。
ベヒシュタインはスタンウェイ、ベーゼンドルファーと並び世界三大ピアノメーカーといわれるブランドの一つでアップライトのピアノに力を入れていることでも知られています。

2012年5月28日の山形新聞の記事によると次のようなピアノのようです。
元々このピアノは、米沢市に住む音楽教師が東京音楽学校に在籍時に東京の楽器店で購入したもので、その方が亡くなった後、天童市にあった天童オルゴール博物館に一時、寄託されていました。
その後、天童オルゴール博物館が廃館となり、持ち主から村山市に寄付され真下慶治記念美術館に保管されることとなりました。
このピアノを調律している方によれば、ピアノの状態は「弦やフェルトも含めて交換した痕跡はなく、オリジナルの状態」だという。
また、弦をたたくハンマーの無駄な振動を抑える「バックチェック」という部品は、フェルトをにかわで木に貼り付けた上に、湿度変化などではがれ落ちないよう全て糸で縫い付けて補強してある。
ドイツのピアノマイスターの資格を持つベヒシュタインの日本総代理店ユーロピアノの技術部長によると、一般仕様のピアノは糸による補強は施されておらず、「トロピカル仕様」と呼ばれる特別製造品。
また「湿度が低いフランスやイタリア、ドイツなどでは19世紀のピアノがオリジナルの状態で見つかる場合もあるが、湿度が高い日本で100年前のものが、当時のまま演奏に耐えうる状態で見つかるのは珍しい」としている。
主にアジアの王室などに納品され、希少性が高い。
以上のようなピアノのようです。

今回は、このピアノとフルートによるコンサートでした。
途中、YAMAHAのピアノを使った演奏もあったのですが、聴き比べるとYAMAHAの今風のピアノの音色とは明らかに違って、かなり個性的です。
ベヒシュタインのピアノは中域が少し足りないようなホンキートンクっぽいレトロ感のある柔らかい温かみのある音です。
アップライトということもあるのでしょうが、一音一音を朗々と鳴らすような楽曲よりは音数の多い楽曲のほうが得意のような感じがしました。
このピアノを使ったプログラムはドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」やショパンの「ノクターン嬰ハ単調(遺作)」などで、このピアノにあっていたのではにでしょうか?

ちなみにドビュッシーは「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ」という言葉を残したそうです。

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