万博公園で太陽の塔を一周して向かったのは、同じ敷地内にある国立民俗学博物館、通称「みんぱく」である。
ここは文化人類学・民族学の研究所を併設した博物館で世界の様々な地域の人々の生活、文化、歴史、宗教などに関わる道具やモノなど、数多くの資料を展示してある。
とは言っても、学術的な堅苦しい雰囲気はあまりなく、ちょっとした世界一周気分が味わえるテーマパークみたいなものである。
ここの開館は1974年なので40年近い歳月を経ているが、メンテナンスの良さやリニューアルなどの新陳代謝がよいせいか建物自体に、さほど古びた感じやくたびれた感じはあまりしない。
万博が行われた公園の敷地内に作られたのは、この博物館の性格から言って必然だったと思う。
初代の館長はあの梅棹忠夫。
ちなみに建物の設計は黒川紀章。
現役感、バリバリという感じがうれしい。
玄関を入り広くきれいなエントランスを抜け階段を登ると踊場からは大きなガラス越しにエッシャーのだまし絵の階段をモチーフにしたような中庭が見える。
中央パティオ(未来の遺跡)というらしい。
展示室は各地域ごとに分かれている。
最初の展示室はオセアニアの文化に関するもので、帆の付いた大きな丸木舟が目に飛び込んでくる。
同じオセアニアの展示室にあった小さなモアイの像。
大きな石版に彫られたアステカの暦石(右側)とトーテムポール。
田端義夫や憂歌団の木村充揮のギターが展示してあったところは関西らしい…。
ギター以外には打楽器を沢山、展示していた。
中にはギターとレコードが並べて展示されていたが、これを展示した人はかなりの好き者とみた。
それも1970年代の洋楽と日本のロックが…。
中古のレコードやさんではプレミアのついてるようなものも…。
インドネシアのトラジャ族の家「トンコナン」。
山形市の鉄砲町には、こんなカタチのスイーツがたくさんある喫茶店があったような…。
フィリピンの乗り合いタクシー(ジープニー)。
チベット方面の仏像もいっぱい。
ガムランは音が出せる。
カザフスタン以外にモンゴルのゲルもありました。
最後の展示は日本のお祭りに関する道具や衣裳、山車など。
アジアは他のエリアよりも、きめ細かくエリア分けされ展示品も多かったような気がする。
展示は地域展示と通文化展示からなっている。
地域展示とは、世界をオセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアなどの地域に分け、各地域に特有の文化にまつわる資料を展示している。
一方、通文化展示は、特定の地域でなく、特定のジャンルを取り上げて民族文化を知る展示で、音楽と言語についての展示を行っていた。
とにかく展示品が膨大で、今回は2時間ぐらいで廻ってしまったが、丁寧に観れば1日ぐらいかかりそうな感じがするし、そのぐらいの時間は潰せそうだ。
特別展では「今和次郎 採集講義─考現学の今」というのを行っていたが、今回は泣く泣くパスすることにする。
とにかく、時間が足りない…。
こうした博物館が大阪まで来ないと見ることができないというのは、関東以北に住む人間で民俗学を目指そうという人には不幸な気がする。
帰りに併設のレストランでランチにする。
タイ風のガパオ(鶏肉とバジルの炒め物)ランチ1,350円を食べる。
この東南アジアっぽい甘めのスープ、ちょっと苦手なんだよね…。