笠間日動美術館で「現代洋画家たちのクレパス画展」を観る。
笠間日動美術館
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丘にある庭園:笠間日動美術館で「現代洋画家たちのクレパス画展」を観る
丘にある庭園

親戚のところに用事があるため土浦市へ行ったついでに同じ茨城県の笠間市にある笠間日動美術館に寄ってみた。
自宅を出たのは午前8時ちょうど。
山形自動車道の寒河江ICから高速に乗り東北自動車道に合流、郡山JCから磐越自動車道に乗り継ぎ水戸・東京方面へとクルマを飛ばす。
笠間日動美術館へは磐越自動車道の水戸ICから約30分弱ほどのところにあり、着いたのは昼を少しばかりまわった頃。

ここは日動画廊という日本で最も古い洋画商の創業者が昭和48年に出身地の笠間へ創設した美術館で、画商が創業したということもあるのだろうエコールド・パリと言われる時期のフランス、そして日本、アメリカの巨匠と言われる画家たちの作品が充実しているので知られる。
メシを先にするか、観るのを先にするか迷ったが結局、美術館へ。

正面から入って建物を見ると、かなり地味な印象。
こじんまりとしたエントランスを抜け受付で入館料1,000円を支払うと、廊下を挟んで、すぐのところに企画展の展示室がある。
そこでは「現代洋画家たちのクレパス画展」という企画展で、主に日本の現代作家がクレパスで描いた小品が多数展示してあった。
全体にクレパスらしいタッチの軽やかな作品が多いなか、鴨居玲の女性を描いた作品はクロで輪郭線を力強く描いていて多くの作品の中でひときわ力を放っていたように思う。

中では酒田市出身の渡邊榮一という作家のシュールな作品や写実絵画の森本草介が葡萄を描いた作品が気になった。
渡邊榮一の作品は、小さくまとまっている感じもうけるが絵も上手でアイディアが面白い。
2階の展示室は1階の企画展に展示してある作家の油彩の展示。
見学の人たちを見ていると後姿の女性が横になって大胆に背中を見せている森本草介の写実絵画の前で立ち止まってみている人が多い。
写実絵画は、さほど興味はなかったが実物との違いを見極めようとするためか、つい見入ってしまう。
2階の展示室の入り口付近にあった渡邊榮一の不思議の国のアリスをモチーフにしたような少女を描いたシュールな油彩を見るとバルテュスを思わせるエロティシズムがある。

フランス館やパレット館への連絡通路:笠間日動美術館で「現代洋画家たちのクレパス画展」を観る
フランス館やパレット館への連絡通路

2階から3階に上るとフランス館やパレット館への連絡通路がある。
途中、沢山の彫像を配置した庭園が素晴らしい。
フランス館にはルノアール、ゴッホ、ルオー、ドガ、藤田嗣治、etc・・・の他に、サム・フランシスやアンディ・ウォホールなど、日本人好みのスーパースターの作品が展示されている。

昼時ということもあるせいか、来館者もあまりなくのんびりとした気分でくつろいで見学することできた。
建物は少々年季の入った感じがするが、現代アートにもたれかかった今風の美術館とは違って、腰の座った感じがあって妙に落ち着く。
広さも大きすぎず、小さすぎずちょうどよい規模ではないだろうか。

庭園からは街並みが見える:笠間日動美術館で「現代洋画家たちのクレパス画展」を観る
庭園からは街並みが見える

フランス館の出口を出ると向かいにはパレット館がある。
「パレット館? パレット館って、何だ?」と思いながら玄関を入ってすぐの展示室へ。
透明なガラスの入り口を入ると前方と左右壁面いっぱいに、数多くの油彩のパレットが展示されている。
本来は作品としてというよりはパレットにいたずらで絵を描いたようなものだったと思うが、展示されているものはここに飾られることを前提とした作品として制作されたものが多かったように思う。
これは、ほかの美術館では観ることのできないこの美術館だけのものだろうし、ここを訪れたら必見だろう。

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