数年前からずっと行きたいと思っていた金沢21世紀美術館へ行って来ました。
ホテルで早めのチェックインを済ませ歩くこと10分ほど。
美術館に着いたのは午後の3時を廻った頃。
敷地内ではゴールデンウィークということもあるせいかフリーマーケットや様々な催しが行われています。
まずは人の多さにビックリ。
建物の外観はオールガラス張りで上から見るとまん丸になっています。
そのため、美術館の愛称は「まるびぃ」。
シンボルマークは建物を上から見たカタチがモチーフになっています。
ちなみに設計は十和田市現代美術館と同じ西沢立衛です。
この美術館は開館当初、そのコンセプトや建築物としての斬新さが、いろんなメディアや雑誌に取り上げられ随分と話題になりました。
ここの特徴はインスタレーションと言われる空間自体をアートにした五感で感じる作品が多いことです。
例えば、建物を大きな布で包むとか、ものすごく巨大でリアルな赤ん坊のオブジェがあるとか、砂の嵐を映したテレビのモニターを壁面に何十台も並べるとか・・・みたいなものです。
個人的にはこのインスタレーションという概念は、ちょっと紙一重だなと感じています。
何と紙一重かといえば、パラダイスとです。
探偵ナイトスクープという番組をご存知でしょうか?
この番組のネタのひとつにパラダイスを紹介する企画があるのですが、このパラダイスというのが閑古鳥が鳴いている遊園地とか個人の自己満足でやっているとっても趣味的な博物館とかを探偵の桂小枝が紹介するもので、そうしたとってもビミョーなテーマパークを揶揄してパラダイスとうたっているわけです。
果たして、いま展示してある作品は10年後も同じ、あるいはそれ以上の価値観をもって鑑賞に堪えうるのものなのでしょうか?
作品の選び方、運営、そのインフォメーションの方法は慎重にやらなくてはならないでしょう。
パラダイスにならないようにお願いします。
それにしても人が多いです。
企画展でやっているのは「イェッペ・ハイン 360°」展です。
デンマークの若手アーティストということですが正直、初めて聞く作家です。
といっても、インスタレーションの現代作家はほとんど知りませんが…。
チケットを購入するのに15分ほど並びました。
なんで、こんなに人気があるのか不思議です?
二十代や十代のカップルが目立ちますが、単なるデートコースになっているような気も…。
ま、それはそれでよいのですが…。
企画展の展示のひとつはあまりの人の多さにパスしてしまいました。
常設の展示はこれまで何度もメディアや雑誌で紹介されているせいもあってか「ふーん、なるほどね」といった具合で少々、感動が薄いです。
それでも十和田市現代美術館もそうですが芸術を発信する拠点が地域に溶け込んでる感があって、やっぱりうらやましいですね。
ちなみに、あまり人の写っていない外観写真は翌日の朝、金沢市内を散策しているときに撮ったものです。