お誘いを受けて「遠藤賢氏から見た真下慶治の最上峡絵画」というバスツアーに参加しました。
真下慶治は山形県村山市出身の画家で、主に山形県の母なる川といわれる最上川の絵を数多く残しました。
今回のバスツアーは最上渓谷といわれる新庄市の本合海から酒田市柏谷沢までの区間で、山形大名誉教授の画家遠藤賢氏の解説を伺いながら真下が絵を描いた場所を巡ぐるというものです。
主催は村山市にある真下慶治記念美術館。
ツアーのスタート地点となる真下慶治記念美術館には9時過ぎには到着。
集まったのは30代以降の男女がほぼ二十数名と言ったところ。(平均年齢はけっこう高め)
9時半には同行する館長に従いバスに乗り込み出発。
小一時間もバスに揺られると最初の見学地の新庄市本合海に到着。
この地は源義経が岩手県の平泉に落ちのびるときに最上川をさか登って上陸した場所として、また、芭蕉が奥の細道の旅で大石田から猿羽根峠を越えて船に乗った場所としても知られ、芭蕉と曽良の銅像があります。
他にも金子兜太・皆子の句碑などもあります。
天候はあまりよくなく、空の色も寒々しい薄ねずみいろでしたがそれはそれで雰囲気があったかなと・・・。
次の現場は古口峡谷。
このあたりの対岸には真下の生家もあり、付近の最上川の風景は幼い真下が慣れ親しんだものだったという話です。
次は現場は高屋駅。
駅前の広場から見下ろす国道47号線は真下の絵で印象的な風景です。
また駅の裏手にあった清川スキー場でも絵を描いたそうで、冬の野外でいつも3・4時間ていどかけて描いていたそうです。
戸沢村の白糸の滝ドライブインで昼食のあとはの柏谷沢。
ここの国道脇には「殉難の碑」という教師二命の2名の殉職を奉る碑があります。
昭和45年4月に戸沢村の教諭2名が運動会の練習のために教え子8名を分校に引率しての帰りの渡し舟が転覆しました。
教師2名は子ども達に手をつなぎ丸い輪をつくらせ急流に流されないように指示したのち雪解で増水した川に流され命を落とすのです。
おかげで子ども達は全員が無事救助されました。
まだ船で川の両岸を渡していた時代の話です。
この出来事に対する真下の思いは深かったようで、ここでの絵も描いています。
最後は松山文化伝承館を見学。
ここでは真下慶治記念室に展示してある真下の絵画を一枚ずつ遠藤賢氏の解説を伺いながら見学。
全体に冬の風景が多く真下ほど冬の景色を描いた画家はいないといわれているそうです。
松山町の街中には初めて来ましたが、趣のある街並みにちょっとおどろきました。