シンポジウム『FLY TO THE FUTURE 100年先の未来をつくろう!』
特別シンポジウム『FLY TO THE FUTURE 100 年先の未来をつくろう!』に行ってきた
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東北大学百周年記念会館:特別シンポジウム『FLY TO THE FUTURE 100 年先の未来をつくろう!』に行ってきた
東北大学百周年記念会館

入場無料だったので東北大学工学部で行われた特別シンポジウム『FLY TO THE FUTURE 100 年先の未来をつくろう!』に行ってきました。
会場は仙台市川内にある東北大学百周年記念会館。
司会は仙台在住のSF作家の瀬名秀明氏。他に東大の國吉康夫氏というロボットを研究している教授や出渕裕氏というアニメのロボットのデザインなどを行っているクリエイター、他に東北大学の機械工学系の教授5名が登場し、主にロボットに関する話題を中心に、各々が研究している分野で今後、100年先ぐらいの間においてどんな技術が可能になるだろうかという講演とパネルディスカッションでした。
で、とりあえずわかったことは…。

  1. ロボット分野においては経済産業省がアカデミック・ロードマップで将来の研究開発の指針が策定されている。
  2. ロボットとはセンサーと知能と動力を融合したものという定義もあるが決まったものではない。
  3. 技術も大切だが歴史や倫理という大きなフレームで考える必要がある。
  4. ロボットにおける知能とは変動する環境の中で目標を達成する能力。(行動をデザインする能力)
  5. アイザック・アシモフのロボット三原則(注1)を守ることは今のところ不可能。ロボットに解釈(プログラム)させること自体がむずかしい。軍事用ロボットというのも作られている。
  6. ロボット三原則のロボットを人間に置き換えれば善き人間の行動指針とも言える。
  7. サービスロボットのモーターは安全のため最大80ワットというガイドラインがある。それを超えると産業用ロボットという。
シンポジウムのポスター:特別シンポジウム『FLY TO THE FUTURE 100 年先の未来をつくろう!』に行ってきた
シンポジウムのポスター

シンポジウムは13時開演の17時過ぎに終了という長丁場のものでしたが、シロウトにも分かりやすい内容で結構面白く聴くことができました。そこそこ大きなホールでしたが席は三分の一ぐらいが埋まっていたでしょうか。また、途中の休憩で無料のドリンクサービスなどもあり、なかなか気の利いた運営でしたが唯一、文句を言わせてもらえば会場が寒かった。
ちなみに司会を務めた瀬名秀明氏の小説をはじめて読んだのはデビュー作の「パラサイトイブ」です。日本におけるバイオホラーのさきがけともいえる小説で、その仕掛けや展開に非常に感心しながら読み終えた憶えがあります。
また、クリエイターとして登場した出渕裕という人はガンダムやパトレイバーのメカニックデザインを担当した人で、そのスジの方にはカリスマらしいです。
個人的な感想としては、20数年前の中高生の頃に読んだアイザック・アシモフというSF作家がつくった「ロボット三原則」が現役のロボット研究者たちに論じられているのは面白かった。基本的に工学系の教授というのはSF好きが多いようだと実感。

※注1:アイザック・アシモフ『われはロボット』より
  • 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
  • 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
  • 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

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