宮城県美術館で『ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展』を観ました。
お目当てはベラスケスが描いた『薔薇色の衣裳のマルガリータ王女』。
混雑を避けようと思い美術館には15時過ぎぐらいに到着。
この美術館は空調工事のためここ1年ぐらい休館になっていたのですが、休館明けの特別展となるのが『ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展』です。
この特別展は宮城県美術館の前には東京の六本木に新しくできた国立新美術館でも開催されました。
ウィーン美術史美術館は、通称KHM(カーハーエム/Kunst Historisches Museum)といわれ、ハプスブルク家の皇帝たちが収集した美術コレクションを中心に収蔵しています。
ベラスケスの『薔薇色の衣裳のマルガリータ王女』はキャンバスの高さが130センチぐらい。
ほぼ、等身大に描かれた作品ではないでしょうか?
近づいてドレスをよくみると、白の絵の具が点々とキャンバスに落ちたように描かれています。
これを少し引いてドレス全体としてみてみるとドレスを豪華に飾る銀糸に見えます。
マネはベラスケスを「画家の中の画家」と評しました。
マルガリータは2年ぐらい前に上野の東京都美術館で開催された『プラド美術館展』でも実物を見ました。
もっともそのときに観たのはベラスケスではなく、彼の弟子のマルティネス・デル・マーソが描いた『皇妃マルガリータ・デ・アウストリア』という作品でした。このときにはベラスケスが描いたマルガリータの父、フェリペ4世の肖像画も展示され「二人とも面長で、やけに似ている父娘だなぁ…」と思った記憶があります。
今回の展示はタイトルどおり全体に静物画が多くモチーフとしてはたくさんの花と、果物や肉や魚の食材が多かったでしょうか。繁栄を誇ったハプスブルク家の権勢と財力を印象付けるには十分なものでした。
写真の太った馬に乗った太った紳士のブロンズ像はフェルナンド・ボテロの作品で美術館の北庭に展示されています。
フェルナンド・ボテロは写真のような太った人物の彫刻や絵画を多く制作しており、ユーモアを感じるその作風で本の装丁などにも多く使われています。